指導者のための稽古#2

1.自分の中で思いついたことは何であれ瞬時にシーンに盛り込んでみちゃう。

「タイプライター」というゲームで「矛盾」というテーマをもらったタイプライター役の〇〇が「デリートばっかり思いついちゃう」と始める前にコメント。それならそれをシーンとしてやればいい。作家が書いてはデリート、書いてはデリートしているシーンをやればいい。作家がこのシーンの主役となる。その作家に他の登場人物が絡んでいって興味深い展開をすればいい。『枠にはまらないこと』『思いついたことを即やってみる』。

 

2.シーンを演じてて同じようなところで停滞していたら、どこかで変化が起こるべきだった。

ピューリロ・ランドのキティーちゃんに入っている役者。楽屋に戻ってキティーちゃんを脱ぐと、スゴい臭い。アシスタントしている女〇〇が「スゴい臭いですよ」。「いや、臭くないよ」。そんな感じの会話の繰り返し。何かがこの場で起こらなければならない。話しているだけでは、何も起こってない。つまり、ここまでが設定。『それで?』『それがどうなるの?』『What comes next?』。芝居では、何かが起きなければならない。変化が起きなければならない。だから『変化を起こす』。

 

3.できるだけ、今言ったこと、今やったことに、瞬時にアイデアをかぶせていく能力を身につける。

キティーちゃんを脱いだ役者が何かを飲んだ。で、飲んだだけで、そのまま進む。でも、飲んだのは酒かもしれない。「もう、こんなことやってやってらんねえ」てことになる可能性もある。別のシーンでは、好きな男の子の家にバレンタインのチョコを渡しにきた。男の子のお母さんが玄関に出て、その女の子を二階に招いていく。階段の途中で、お母さんが「気をつけてね」。そのまま進んでいくのだが、例えば、階段が抜けて地下室に落っこちてもいい。そしたら、そこにはチョコを渡しにきた女の子たちがいっぱい、宙づりになって閉じ込められててもいい。他のシーンでは、オープン前の東京スカイツリー。設計者が夜一人で展望階。彼女を携帯で呼び出す。「上まで上がってきて」。彼女、一人でエレベーターに載り、外の景色を見ながら、上まで着く。男、「よく来たね」。・・・ここまでの間で、観ている人の心には、「何が起こるんだろう?」という期待が起きている。つまり、上に着くまでに何かが起こることを望んでいる。そしたら、即興の役者は、それを提供しなければならない。期待して観てたのに、何も起こらないで、上までたどり着いたら、「なんだ」とガッカリする。女が一人エレベーターでスカイツリーの展望階まで上がっていくのをただ観ただけ。女が一人で上がっていくことに、重要な意味を持たせなければ、観ている人の興味を惹きつけられない。『人は、何気ないところに居たがる。自分には何も特別なことが起こらないようにしている』。それをインプロの指導者は、もっと興味深いところに誘導していってあげる。

 

4.シーンの出だし、二人の登場人物が対面してやりとりが始まると、ほとんどの場合、相手と距離を保とうとするアイデアを出してくる。

「あなた臭い」、「息子はインフルエンザにかかっている」。真っ先に障害をつくって、物語が先へ展開しないようにしている。『積極的に前に進む』『未知に向かって進む』『冒険していく』。


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